京都薪能2018@平安神宮 で自然と歴史文化を身近に感じられた件

2018年の記事です。

京都平安神宮の薪能を観劇してきました。
今年で69回目ということで、長い歴史を持つ行事となっており、
かがり火の中、荘厳な雰囲気の中で演じられる能は、
あまり伝統芸能に詳しくなくても、魅了されるには十分でした。

今回は、見どころと、行く時の注意点などを書いていきたいと思います。

■結論

・割とリーズナブル(前売り4000円)で説明も充実しているので、能 初心者にはお勧め
・薪能開園前にロームシアターで行われる予習は、絶対行くべき
・薪能開場後早めに訪れ、前の方の席を確保するべき
・当日の風向きが読めれば、舞台の風上の席の方が良い
・お尻と背もたれ部分が痛くなるので、座布団やクッションが必要
・日が沈むと途端に肌寒くなるので、上着やストールは持っていくべき

■詳細

平安神宮での薪能そのものは午後6時から開演ですが、その前に予習ということで
14時から 能について ロームシアターで 催しがありました。
今回の薪能は 義経の悲劇という題目でしたので、その頼経の 周りの人間関係など、
薪能でのストーリーなどについて、紹介や解説などに触れられるものだと勝手に思っていました。

ところが、いざロームシアターで座学!と思いきや、能や狂言に関して 実際に体験してもらうという内容が主でした。
能で用いられる小鼓と大鼓などの楽器の紹介や、謡(うたい)の体験や 泣き方の所作、
そして狂言の笑いの即先講座が 開かれた後に、「嵐山」の能が演じられました。
ロームシアターになされます雛人形の並べ方と同じということでなかなか興味深く聞くことができました
こちらのロームシアターでの入場料は1000円ですが
その後に開催される薪能のチケットを持っていれば無料で入ることができます。
劇場自体も前売りであれば4000円、当日券であれば5000円と
観劇の料金としてはリーズナブルなのではないでしょうか。
こちらのロームシアターの予習も含まれていますので、非常にお値打ち得だと思います。

さて、薪能に行くにあたってドレスコードに対して(若干)気を付けた出で立ちで、
この日は晴天に恵まれた夏日でしたが、私はせめてジャケットを着てフォーマルな気持ちでやってきておりました。
周りの 紳士淑女方々は、よりフォーマルな装いの方や、着物をお召しの方もいらっしゃる一方で、
ジーンズ姿の方もいらっしゃったので、そこまで気にしなくても良かったのかもしれません。
そうした意味でも、形式張らずに敷居はあまり高くなく、初心者にも優しいお手軽な観劇という雰囲気でした。

ロームシアターの催しの後は、17時開場、18時開演の薪能本番ですが、
開場まで少し時間が空くのと、さすがに21時近い終演まで夕食抜きは辛かろうということで、
腹ごなしに地下鉄で2駅隣の本能寺に行ってきました。
ちょうどこの日、6月2日は本能寺の変の日だということで、
また近年のトレンドである刀剣女子の方々も非常に多くいらして、大変活況な様子でした。
御朱印帳を対応してもらうのも待ちは長蛇の列であり、境内の中を渦巻いておりました。
刀剣乱舞グッズ販売も刀剣の展示と同時に行われていたようですね。
こちらも人の入りは割と多かったように思います。

さて、話と場所を薪能に戻します。
開演30分ほど前に入場しましたが、もう前半分の列は全て埋まっていました。
ステージの端の席か、段差がある後ろの方かで 悩みましたが結局後ろの方の席にしました。
これは座る時には気づきませんでしたが、 図解の通り、
舞台の高さはちょうど人が座った頭の位置あたりに床面があるため、
後ろ側でも少しの段差があれば 見晴らしよく舞台を見ることができました。

舞台と席の配置は、こんな感じでした。

緑が舞台で、オレンジが席
ステージが高く、前に座る人の頭よりも上に床面があるので後ろの席からでも見やすい

緑が舞台で、青は控室、オレンジが席です。
舞台よりも遠い席は段々と高さが異なっていましたので、
遠くてもあまり前の列の方が気になるということはありませんでした。

今回、観劇の席は後ろのほうでしたが、声は問題なく聞き取ることができました。
表情までは視力の都合上少し見づらかったですが、
さすがに演劇ということで大きな動きをされるため、特に問題はありませんでした。
後ろの方の席の注意点としては、途中入場の形などが いらっしゃるので
砂利の上を歩く足音は少し耳に障る可能性があります。

あと、椅子はほとんどがパイプ椅子、後ろの方のひな壇の椅子も、座面は木製ですので、
長時間の観劇には、お尻や腰が痛くなると思います。
是非、座布団やクッションを持っていかれるといいでしょう。

18時から開演ということで、その頃は空もまだ明るく強烈な西日が顔を照らして、
多くの方は開演間際まで日傘を差したり、パンフレットで顔への直射日光を防ぐような状態でした。
しかし、辺りが暗くなってからは、焚き火の明かりが幻想的な世界を灯すのに効果的で、
厳かな薪能全体の雰囲気の一翼を担っていたかと思います。
そうした意味では、スポットライトがもう少し暗くても良かったでしょうか。

気温の方も日中は27℃まで上がる晴天のために、夏の装いの方がほとんどでした が、
日が沈み夜の帳が降りてくる頃には、涼しかった風にも肌寒さを覚えるようになりました。
私もジャケットを着て少し肌寒いかなぐらいの感じでしたが、
半袖の上からウルトラライトダウンを お召しの方もいて、
万全の支度に密かに感服いたしました。
少なくとも、上着やストールは持っていくべきだと思います。
風が強くなければそこまで気温差を感じなかったのかもしれませんが、
当日は適度な夜風が吹き、こちらはこちらで気持ちよかったのですが、
そのせいもあって体感温度はやや低めに思いました。

薪能は 三部構成になっていて、能が始まるその合間合間に狂言ナビという、
以降のストーリー展開や小ネタなどを楽しく演じてくれるパートがありました。
能とはまた違ってこちらは我々が聞き慣れた日本語に非常に近いもので、
笑いを誘うような構成も相まって、非常にわかりやすく好印象でした。

一方で薪能本題の方に関しては、私が不勉強であったせいもあり、
なかなか観劇のみでストーリー全容を把握するのは難しいように思いました。
こちらの対策としては、事前に公開されている題目の内容を調べてあらすじを把握しておくか、
あるいはあらすじの書かれたパンフレットが当日に1000円で売られています ので、
その場で購入をして情報を活用すると良いかと思います。
パンフレットのメリットとしては、同じ能の題目でも
微妙に演じられる場面が違っていたりするようなので、そうした齟齬もなくなりますし、
演劇を見ながら ストーリー の詳細をつかめるということも大きな魅力だと思います。
薪能中は、時間が経つにつれ夜が更けていきますが、
前述のようにスポットライトが客先を照らしますので、文字は終えるくらいの明るさが保たれていました。

ちなみに焚き火が灯されるのは3部構成の1部が終わった時で、ちょうど暗くなり始めており、
良いタイミングであるように思いました。
焚火に関して言えば、私は今回大丈夫でしたが、もし風向きを読める方であれば
焚火の風上に席を陣取ることをお勧めします。
後半はやはり焚火の煙が少し漂って、風下は少しモヤがかかったようになっておりました。

何事もそうだと思いますが、あらすじや登場人物が、予めわかっているのといないのとでは、
正直なところ観劇の楽しさは雲泥の差です。
能は特に、狂言と比べても抽象的な所作が多いということもあり、
よく見ていないと見過ごしてしまうようなこともあるかもしれません。
私自身も、途中ストーリーのどのあたりを演じられているのか、見失うこともありました。
ただそうした時でも、昼間のロームシアターでの予習もあったため、
楽器の音色に耳をそばだてたりという愉しみ方もでき、全体的には有意義な時間を過ごすことができました。

周囲の席に目を向けると、さすがに京都ということもあってか、外国人の方が多くいらっしゃいました。
途中のアナウンスでは英語による放送が行われていましたが、薪能が始まると対訳などは当然ありませんし、
あらすじがわかっていたとしても、なかなか外国人の方には退屈する場面もあったかもしれません。
この辺りは、もう少し工夫があってもいいように思いました。

あとは、ロームシアターと薪能の間で、夕食をとっておくことをお勧めします。
というのも薪能の終演時刻は20時45分と公式にありましたが、この日は21時ちょうどぐらいの終演でした。
気温も下がって肌寒くなりますし、なかなか 夕食抜きで21時になってしまうと厳しいものがありますので。

平安神宮へのアクセスは、近くに地下鉄の駅がありますが、車で来られる方には
みやこめっせの駐車場であれば日曜日は上限がありませんが、平日か土曜日であれば上限1500円までになりますので、
こちらを活用するのもよろしいかと思います。

https://www.miyakomesse.jp/access/

6月2日のこの日の場合は、ちょうど21時頃にみやこめっせでの催しが終わったようで、
地下駐車場の中で若干の渋滞が発生したことは付記しておきます。

■あとがき

観劇の機会が私はあまりありませんでしたので、そうした非日常的な光景に加え、
18時頃の西日の差すあたりから、あたりが夜になるまでの空の明るさと、
夕焼けからロイヤルブルーへの変遷を頭上に覆いながら、
自然の中でゆったりとした時間を過ごすということは、大変いい思い出になりました。

上にも書きましたが、値段もそこまで高くありませんので、
また機会に恵まれれば、リピーターとして訪れたいと思います。
日本の初夏に、平安神宮以外の場所でも行われることが多いようですので、
ぜひご興味を持たれた方は一度、調べてみてはいかがでしょうか。

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