自治会解散になった。課題と解決策、解散届のフォーマットは?

この度、自分が住んでいる地域の自治会(町内会)が解散を決めました。
全国的にも自治会加入率は減少傾向にあるようなので、やがて増えてくるであろうこの事態、今回紆余曲折ありながらもこうした結論に辿り着いた、その経緯について書いていきたいと思います。

■結論

・高齢化に伴い自治会長や役員活動をできる人が限られてきた
・現役世代はもはや共働き世帯ばかりで平日はもちろん土日も時間がとれない
・必要なのは共通ゴミ捨て場の管理くらいで、回覧板も広報誌などを読めばよい
・自治会がなくなったとしても、良い意味でご近所付き合いはなくならない
・時代に合ったやり方に変えていく必要がある

■詳細

我が家は、世帯数50に満たない自治会に所属していました。
うちの自治会の運営状態は次の通りです。

●自治会長と委員会
実情は、他にどなたも立候補される方がいらっしゃらないため、渋々続けられていたようです。
副会長も最初は設けられていましたが、そのうち上記と同様の理由で同じ方が続けられるようになり、近年になって健康上の理由によりやめられました。
役員は会長の他に4名 選出されます。

自治会内では4ブロックがあり、その中から毎年順番に1名ずつが 役員として名を連ねる仕組みになっていました。
役員活動は、近隣の自治会から同様に選出された方々で集まり、いくつかの機能に分かれた 委員会活動を行う要領になっていました。
いくつかの委員会を除いては、特に活発な活動はなかったので、役員の方は高齢者であっても自治会長職以外であれば比較的受け入れられやすかったのだと思います。
活発な活動を行う委員会への所属については、比較的若い世代の方がその部門の担当を担うような要領でこれまでうまく回っていました。
ですが、会長業務となると経理の業務も一本化されていたこともあり、忌避感を示す方が多い状態でした。

●解散決定までの経緯
自治会の中では高齢者の割合が多く、自治会の活動になかなか参加できない方が多くいらっしゃいました。
一方で、現役世代の方々は、平日はもちろん土日さえ多忙を極めている方も多く、自治会業務に時間をさける方は非常に 少ない状態でした。
また地域コミュニティの運営はやはり高齢者がほとんどで、世代を超えて積極的なかかわりを持てる雰囲気ではありませんでした。
加えて現役世代の方は、これまで回覧板などで入手していた情報は、この現在いともたやすくインターネットから入手できますし、自治会に依存していたのは共通ゴミ捨て場の管理 くらいのものでした。
自治会の身の振り方が議論されることになってからわかったことですが、高齢者世帯の方々にとっても回覧板の情報はあまり意味を成しておらず、大体の方は広報紙などから情報を入手して生活に役立てていたということでした。
街中には掲示板もありますが、情報としては回覧板と同等であり、あまり活用されていなかったこともわかりました。
確かに行政利用や地域コミュニティという観点からすれば、重要な会合なのかもしれませんが、負担を担う方々にとって、結局どの世代からしても自治会が持つ重要性というものがあまり高くないことがわかったので、解散への一歩を踏み出したわけです。

ただ、いきなり解散を決めたわけではありません。
結論にたどり着く前に、色々な案が出て、その検討を行いました。
まず、会長業務をスリム化したうえで、半強制的に担当してもらうためのリストに沿って順番に引き受けてもらう、というもの。
マンションとかはこのシステムですよね。
でも、我々の自治会にとっては何の解決にもなっていません。
誰が最初にやるの?足腰が立たない人はどうするの?現役世代でも介護で忙しい人もいるけど?「できない人」は何を基準にするの?
・・全く決まりませんでした。

次に、近隣自治会への合併を考えました。
しかしこれはあっさりと「No」を食らったそうです。
ただ、仮に合併できたとしても、結局自治会長や役員は回ってくるわけですから、そもそも本質的な解決策になっていません。
近隣自治会も重要役員は固定化されているようなので、問題の先延ばしのような気もします。

議論の間、妙案を期待して自治会内にアンケートを取りました。
案の定、新しいアイデアは得られませんでしたが、自治会内で意見が割れつつも解散が多いという結果になりました。
こうして、議論は解散に進み始めます。
やめるための 課題は山積みでした。

●解散にあたり
まず想像に容易いのが自治会費の問題です。
今まで長年にわたり貯めてきたお金ですので、引越しなどでいなくなった世帯から回収したものもありますし、新しく引っ越しされてきて積立年数が浅い方もいます。
どのように処分するのか、しばらく決まりませんでした。
各世帯均等に割り当てれば、凡そ一万円弱です。

食事会をするか? → 総会ですら出席率が低いのに?
クリーンアップ作戦のお土産を豪華にすれば? → 焼け石に水では?
全部募金してしまおう → 募金目的で集めたわけではないから反対する人も多いのでは?

・・などと侃侃諤諤紆余曲折の末、全ての世帯に対して均等に割り当てるに決まりました。
端数は面倒なので募金で。

また、うちの自治会は連合組合に参加していたため、そこから抜けると話をした時にも揉めました。
結局、今の自治会長が自分の名前だけ残すという妥協案に帰着しました。

さらに、自治会で払っていた公道電灯の電気代の問題が厄介でした。
どこの電灯のことなの?支払いが止まったらどうなるの?一番近い世帯に支払ってもらえないだろうか?
そもそも自治会が公道の電灯の電気代を支払っていることが問題でした。
実は本来であれば、行政側が支払う電気代を自治会が長年負担していたようです。
最初は役所にその旨を伝えるとそんなはずはないと突っぱねられたようですが、その後電力会社とのやり取りも行い、最終的に役所が誤りを認めました。
しかしながら、過去の電気代支払い分の返金には応じられないと言われたそうです。

自治会口座の解約も、 最終的には委任状なしで行けましたが、 会長本人が健康上の都合で 金融機関まで足を運べない状況になった場合は、はてさてどうなったことか、今でも悩ましい問題です。

長年自治会主導でやっていた 資源回収も 取りやめになりました。
資源回収のお陰で、行政が資源のゴミを回収していたことを知る人も少なくありませんでした。

役所に、自治会解散の旨を伝えたところ、ここからがまた大変でした。
自治会全員で整合を取った結論に対して、考え直して欲しいと言ってくるのです。
存続の為に何でも相談に乗るから、と。
自治会長の家まで訪問し、話を聞きたいなども仰っていたようです。
結局今から結論は変わらないこと、近隣の自治体との合併にも応じられなかったことなどを話されました。
任意団体なので、行政が解散に口出しするのはおかしいのですが、という前振りで、何度も反対をされていたようです。
自治会には、行政の下請けとも呼べるような業務もありますので、受け皿がなくなることを危惧されていたのだと思います。

解散の意思が役所にも認められてから、自治会解散届の様式について確認しましたが、連絡が来るまでにしばらく時間がかかりました。
自治会解散届のフォーマットは、下記のようにシンプルなものでした。
最終的にはこれを簡易書留で送りました。

自治会解散届(行政長宛)
解散日
自治会長名 自治会印鑑
解散理由

●あとがき
今の時代、行政から市民への情報伝達のあり方や、共働き世帯、高齢者世帯の負担にならないような、活動の骨子をまとめていかなければならないのは行政だと思います。
何事も労働力で乗り越えられてきた昭和と同じ方法で、この先も続けていくのでしょうか。

災害時も声が割れて何を言ってるのかわからないような公営スピーカーで、避難状況を読み上げるよりももっといい方法があるのではないでしょうか。
例えば今の時代、メールなどの配信や、高齢者向けスマートスピーカーなんて新しい方法も編み出していかねばならないと思います。

我々は最終的に自治会という枠組みから離れましたが、地域の結束も変わらず、今の所特に困ったことも大きな変化もありません。
東日本大震災の後には自治会の発足が増えたという情報もあるようですが、災害時には近隣同士で結束してやっていけると信じています。

ただ、今のご時世、子供達相手の凶悪な事件が起こったりすると、地域で子どもを守るという枠組みの必要性も感じられますので、会長や役員などの負担を減らしながら、地域に根ざした活動の場もうまく今後持っていけるかというところが、高齢化社会と共働き世代をつなぐ架け橋になるのかもしれません。

私も今回役員の活動や解散という流れを通じて、社会の一コマである自治会という存在を真剣に考えるきっかけになりました。
我々の自治会では、解散になってからもクリーンアップ作戦は参加し続けていく方針となりました。
自治会という枠組みがなくなっても、ご近所付き合いは変わらずなくならない、良い方向の表れだと思います。

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