竹中大工道具館に行ってきました

竹中大工道具館に行ってきました。
色々な知識を得ることができましたので共有したいと思います。

竹中大工道具館は新神戸の近くにあります。
車で行く場合駐車場の入り口が狭いため少し分かりづらく見落としやすいかもしれません。
中は7台ほど停められるスペースがあります。
入館料は大人一人500円中学生以下は無料となっています。
https://www.dougukan.jp/information

入ってすぐのところではこのように 木組みの展示などがされています。

プロジェクションと共にわかりやすく展示

地下2階建てで計3階の構成になっています。
エレベーターもありベビーカーや車椅子の方でも問題なく回ることができます。
内装はさながら高級な注文住宅のように、内庭があり回廊構成となっています。

高級邸宅のような様相

この日はボランティアの方による説明のツアーがありましたので、
参加して一緒に回らせてもらうことにしました。
展示ブースに関しての話だけかと思えば、
この趣のある建物そのままについてのお話もありました。

例えばこの天井。

言われなければ気づかないが、気づくとすごい

天井は上からぶら下げているのではなく、
木組みで自身を支えている構造になっているとのことです。
また色目や反りの状態も全て合わせるため多くの材木の中から、
目利きのする方が選んだそうです。
また天井のトップの部分は直線ではなくわずかに R がかかっているため、
工場で加工された材木ではなく、一本一本を現地で大工さんが都度加工しながら、
おさめていったものと言っていました。

床も多くの節なしの床板がフローリングで敷かれており非常に高価なものだとおっしゃっていました。
またそのような構造のため天井部に空調を入れることができず、空調や電源などのシステムはすべて床下に収められているとのことです。

節が一つもない床板と排気口

またこちらの階段ひとつにしても、この階段は天井から吊り下がっている構造のため、階段の下部のスペースを広くとれ、通常では納戸程度にぃか使えないようなスペースに対して、この構造であれば階段の下を憩いのスペースとして活用することをできると言っていました。

階段下には、ひっそりと落ち着ける空間が

その後大工さんの工具の話に入ります。
こちらは石斧と鉄斧の違い。石斧の先端も見た目はシャープですがやはり鉄の鋭さには敵わず、水を押しつぶすか切るかの違いがつぶさに現れる動画が閲覧できるようになっています。

石斧と鉄斧で倒した実際の木

また、一般に知られるかんなが世に出てくるまでは
出刃包丁を柄の先につけたような、槍鉋で板を作っていました 。
槍鉋で作った板は現代の板のようなツルツルにはならず、表面は少し波打っています 。
技術の進歩により表面がきれいな板が量産される今となっては、
その話を聞くと逆に趣深く感じられるから不思議です。
実際にこの建物のエントランスの自動ドアには
厚さ12cmの一枚板で設えられた扉がありますが、
それは現代の槍鉋を扱う職人さんが作られました。
今槍鉋を扱える職人さんは日本に10人程度しかいないそうです。

趣のある自動ドア

その隣には 大鋸(おが)と呼ばれる、丸太から板を量産するための
ノコギリが展示されていました。
二人で互いに引き合いながら板を作っていきます。
オガクズの語源は、大鋸で板を作る時に出るくずのことだそうです。

途中で刃の向きが切り替わっていることがわかる

そのすぐ後ろには、奈良の法隆寺の五重塔の模型が鎮座していました。

立派な五重塔のオブジェ

京都にも例えば東寺などにも五重塔はあり、
それらは50メートル以上の高さがあるのに対し、
奈良の五重塔はそこまで高くありません。
しかし上の階層になるにつれ少しずつ大きさが絞られているので、
目の錯覚で高く見えるような設計になっているとのことです。
一番上の階は一番下の半分の幅であると言っていました。
五重塔は度重なる地震にも強いことが有名ですが、
その秘訣はただそれぞれの塔が「乗っているだけ」な点だと言われています。
地震の時は各層が互い違いに揺れるので強いとも指摘されているそうです。
五重塔の先端の根元にはドームがあり、これは仏陀などの伝来にも由来があるという話でした。
この模型は、竹中工務店所有のもののため、
通常は行うアクリル板などでのカバーがなく、じっくりと観察できました。

こちらはその当時の大工さんが持っていた一式の道具です。
品質の高い道具は摩耗するまで使われる運命にありますし 、
また道具一式を例えばお寺に納めるとすると、その大工さんはその後の生業が成立しなくなります。
なので、このように道具一式がまるまる残っているということは非常に珍しいことで、
またこの道具が見つかった当初から、
すでに今すぐにでも現場に持っていて使えるほど、手入れが行き届いた道具だったそうです。

綺麗な状態で保存されていた 道具一式

こちらは建物の火事よけのおまじないで水をモチーフにしたもの 。
今でも水と書かれた蔵などが散見されるのはこのためです。

水のモチーフ

またこちらは唐招提寺金堂の一部を構造解析して竹中工務店が再現したもの。
174個のパーツで作られているそうです。
一つの柱には20tもの力が加わっていたことも、構造解析でわかったそうです。

吹き抜けにぶち抜きな井出達

海外の道具の紹介もありました。
日本では比較的柔らかなスギやヒノキなどの木の加工が多かったのに対して、
海外ではオークなど硬い材木の加工が多かったため
斧の大きさも日本の斧より大きいものが多かったようです。

お茶室がまるまる展示されていました。
入り口に貼ってある板の枚数は必ず2枚半、
また窓に貼ってある格子の本数は必ず奇数にする決まりがあるようです。
屋根のところで使われている竹筒は、
中に蜂などが入って巣を作らないように竹串で埋められています。

数えると11本でした

木組みの細工で作られた日本の景色は目を疑うような美しさでした。
特に山間の所にうっすらとかかっている雪景色を
グラデーションで再現されているところなどは
木組だけで作られたとは思えないぐらいの出来です。

木組みの密度で表現された美しい雪景色

ボランティアの方の説明は2時間ほどでした。
説明の詳しさだけでなくウィットに富んだ話の展開など非常に楽しく終始聞くことができました。
言葉尻からの推測ですが、おそらく元々竹中工務店の方に勤められていた方が
定年退職されてこのボランティアをされてるように思います。
なので、お話の確からしさはお墨付きかと。

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